DXを知る

DX(デジタルなプラットフォーム)とは?

DXの意味

DX(デジタルトランスフォーメーション)とはデジタル技術を活用した企業変革である.2019年9月に経済産業省が公表した「DXレポート」により広く知られるようになった.
「DXレポート」では,DXに関するわが国の現状に対する危機感の共有とDX推進への取組みを促進するために,『2025年の崖』という言葉を用いている.
さらに,2018年12月に「DX推進ガイドライン」が公開され,2019年7月にはDXを推進するための現状把握,目標設定,進捗管理のための「DX推進指標」が公開されている.
DXは企業変革を目的とし,それによって企業が顧客に新たな価値の提供や生産性の向上を実現し,競争力を高めることにあることに留意願いたい.

DXにおけるデジタルとは

DXにおけるデジタルという言葉は,従来から広く使われているIT(情報技術)やICT(情報通信技術)と次の2点で異なると言える.

(1) 技術面の違い: ICTは,主として企業内の生産管理や販売,経理などのデータの管理や製品や顧客の管理技術として使われてきた.それに対し,デジタルはスマートフォンやIoTによって企業と顧客や社会のあらゆるモノが直接つながり,そこから得られるデータを活用するクラウドコンピューティングや機械学習などの新たな技術群を指している.例えば,機械学習を活用することによって,従来のICTではできなかった,顧客行動などの予測が可能となり,新たなビジネスの創出につながっている.

(2) 利用形態の違い: ICTとデジタルでは利用形態に違いがある.ICTはいわゆるSoR (Systems of Record)と呼ばれる企業内の情報管理を行い,主として現行業務の生産性向上などに利用されてきた.それに対して,デジタルは顧客を起点とするSoE (Systems of Engagement)として,顧客の問題発見からその解決による新たな顧客価値の創出を目的とする.デジタルによって企業は既存の業務を見直し,新たなビジネスモデルへ転換し,競争力を高める機会となる.これが,DXが企業変革と呼ばれるゆえんである.